New Order Story / 1993年制作のニューオーダー・ストーリー

フランス人DJのロラン・ガルニエの書いた『エレクトロショック』を読んでいる。ロランはフランス人だけどロンドンで働きながらクラブ通いをしていたが、職場を止めて、新しい職をマンチェスターで見つける。マンチェスターは、ザ・スミスの、ニュー・オーダーの、そしてファクトリー・レコードとクラブ・ハシェンダのある都市だ。ロランはハシェンダに通いつめる。そのことが延々と書かれている。そして、ニューオーダーの〈ブルー・マンデー〉で踊っていることも・・・。

そんなで、何年も見ていなかったレーザー・ディスクの『New Order Story』を久しぶりに見ることになった。始まるや、ニュー・オーダーの前身である、「ジョイ・ディヴィジョン」のビデオ・クリップが見られるのには感涙する。イアン・カーティスが歌っている、踊っている。解説によるとトニー・ウィリアムが司会をしていたテレビ番組のクリップだという。そのトニー・ウィリアムがイアン・カーディスはイギー・ポップのアルバムを聞いてから首を吊ったと証言。

イアンの死に対して、メンバーが車に彼を乗せて病院をさがしたとか、リアルな話を聞くことができる。そして、新生ニュー・オーダーがジョイ・ディヴィジョンの影から抜け出す苦悩が語られる。

ぼくもまた、初期のニュー・オーダーには不満だった。イアン・カーティスのジョイ・ディヴィジョンのイメージが強すぎたせいだ。ぼくは1970年代の後半に小さな輸入レコード・ショップで入荷したばかりのアルバム『Unknown Pleasures』をジャケット・デザインに誘発されるように買った。ジョイ・デヴィジョンとの初めての出会いだった。その暗いサウンドの虜になった。

この『ニュー・オーダー・ストーリー』には、メンバーがイアン・カーティスの死を乗り越えて、世界的なバンドに成長する過程を様々な人の証言と、ライブ・クリップとビデオ・クリップで作られている。クラブ・ハシェンダでのライブ・シーンもある。証言は多くの人が登場するが、ジャケット・デザインを制作したビーター・サヴィルの話がよかった。もちろん、4人のメンバーそれぞれの話がおもしろいのはもちろんのことだ。

上の写真は輸入盤らしい。ぼくの見たのは日本版のレーザーディスクだ。高野裕子氏と杉田元一氏の解説があって、より深く理解できた。

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カテゴリー: Music