パリのランデブー / エリック・ロメール監督の軽く笑える恋愛映画

1995年フランス映画。何ともいえない軽さ・・・。大笑いじゃなくって、フフっと笑えるこの軽さがいい。恋愛っていうかナンパをテーマにした3つのオムニバス作品。

第1話は、主人公の若い女性は市場でナンパされ、しつこさにへきへきしながら、7時にカフェに居る(これにはちょっと複雑なワケがある)と言ったあと、買い物バッグの中の財布がないのに気づく。アパートの部屋に帰ると若い女性が財布を拾ったと訪ねてくる。スリが現金を抜き取って捨てたらしい。ナンパ男がスリか? スリならカフェにこないだろう。なんと訪ねてきた女性もそのカフェで男と待ち合わせをしているという。カフェにつくとその男はなんと主人公の恋人だった。初対面を装っていたが、男が逆切れ。3人とも席を立った後、市場のナンパ男が現れる。

第2話は、男と同棲しているが、別れ時を見計らっている女性が主人公。彼女と別の男性とのデートシーンだけで構成されたフィルム。デートは毎回場所を変えたパリの公園など。男はなんとか自分のアパートに案内しようとするが、うまくいかない。最後には女性の方から、ホテルで一泊しようと持ち出す。地方から出てきた旅行者の気分でパリのホテルに宿泊しようというわけ。ホテルが近づくと、実家に帰るといっていたはずの同棲男が別な女性とそのホテルに入っていくのが見える。女はキレてしまって、デートの男を振ってしまう。

第3話は、絵描きの男が主人公。北欧に友だちがいて、その紹介で若い女性が訪ねてくる。男のアトリエの近くのピカソ美術館へ案内することになっている。ピカソを見てしまうと影響を受けて、描きかけている絵にまずいから、なんて言っちゃて美術館の入り口まで案内して、夜にカフェで待ってるとアトリエへ帰る。その途中、すごい美人とすれ違って後をつける。美人はピカソ美術館へ。男も後を追う。当然北欧娘と出あう。てきとうに言い訳をして少しだけ館内を案内。美人が出て行くので彼も、北欧娘と別れて後を追う。そしてナンパ。美人はスイス人で夫がいるという。本の編集をしていて色校正のためにピカソの実物を見にきたと言う。一応アトリエの絵を見にくるが、一通り作品を見てからすぐに出て行く。夜、カフェで待つが北欧娘は来ない。

3作とも、女たちの肩すかしをくう一生懸命な男たちのほろ苦さがなんとも言えない。気楽に見られる上質のラブコメディ。アメリカ映画のラブコメディとはずいぶんと違う。とてもいい雰囲気だ。

投稿日:
カテゴリー: Movie