バスキアの映画 / DOWNTOWN81

全く知らないで見たので、ぶっ飛んでしまった。数年前にケーブル放送の映画を録画しまくっていた。見ていないビデオがたくさんあって、内容も忘れてしまっていた中の1本が『DOWNTOWN81』だった。なにげに選んで見始めたらぶっ飛んでしまった。

出演ミュージシャンを列記すると・・・

・Kid Creole and the Coconuts
・TuxedoMoon
・James White & the Blacks
・D.N.A.
・the Plastics
・Walter Steding
・Deborah Harry

Deborah Harry だけは出演だけ、他のグループはクラブのギグとかスタジオとかでプレイしている。James White のかっこいいったらない。ジェームス・チャンスだよね。78年だったかな、ブライアン・イーノがプロデュースするコンピレーション・アルバム『NO NEW YORK』を聞いた感激がよみがえる。ぼくがパンクロックにのめり込むきっかけになったアルバムだった。これは阿木譲氏が雑誌『遊』で紹介しているのを見てレコード・ショップへ走ったはずだ。ひょっとしたら、『ロックマガジン』の方だったかな・・・。この映画はアルバム『NO NEW YORK』そのものって感じがする。

ぼくは主役のジャン=ミシェル・バスキアを知らなかった。映画を見終わってから慌ててウェブで調べたんだ。有名なアーティストなんだ。そうそう、クラブの前でウォホールが来てる、って会話があったけど、出ていたらしい。この映画は80年から81年に撮影され、その後フィルムが紛失。98年に発見されたとある。撮影当時のバスキアは無名のアーティスト。その後、ウォホールに才能を見いだされて時代の寵児となるが、87年2月のアンディー・ウォホールの死の半年後、27歳のバスキアもまた死んでしまう。

19歳か20歳のバスキアが金が無くてふらふらとニューヨークを歩いてる。スタジオに入って行ったり、クラブに潜入したりするシーンで80年代初頭のパンクロッカーのエキセントリックな演奏を見ることができる。グラフィティしながら街を歩いているバスキアはビートニクみたいだ。彼のグラフィティは絵よりも詩の一節みたいな言葉をスプレーしてる。全編がドキュメンタリータッチだ。バスキアが歩く映像を見ながら、ぼくはどうしてもジョン・カサベテスの処女作のドキュメンタリーのような『アメリカの影』、そのラストシーンがダブって見えてたまらなかった。黒人青年がニューヨークの街を歩くシーンだ。

今頃、『DOWNTOWN81』なんだけど、2001年のこの映画の公開当時のぼくは、飯のたねの DTP の仕事は減る上に値切られるわで、なんとかWeb制作をものにしようと必死になってた時で、金も暇も全く無くて、アートどころではなかったんだ。

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カテゴリー: Movie