楽しい児童文学『なんでネコがいるの?』

『ぼくはきみのミスター』の続編。犬のミスターの生意気度は相変わらず健在。しかし、生活に多いな変化が起こった。飼い主が結婚したんだ。結婚相手には飼いネコがいて、ネコとも同居することになる。この犬、嫁さんには可愛子ぶりっこを発揮して、まるで飼い主が変わったようになる。一方、ネコは眼中にない、といった冷たい態度。これがミスター。

飼い主は相変わらず、昔話なんかをミスターに話して聞かせている。ま、短い話しでこれはこれで含蓄のある物語なんだけど、延々と繰り返されるので、ちょっとうっとうしくもある。でも、物語の後のミスターの感想が本書のポイントなのだろう。つまり、ミスターの物語に対する解釈は人間とはちょっと違う。これがおもしろい。人間なら、へそ曲がりとか、場の空気を理解できない奴・・・なんて言われるのかも。

130ページほどで活字が大きめ、そのうえ犬やネコの挿絵がとってもいい感じ。なので、すぐに読めてしまう。ときどき、思わず、くすりと笑ったりもする楽しい児童書。

作者は1936年、デンマーク生まれ。この「ミスター」シリーズは国際的な評価を得ている、と本書の作者紹介にあった。挿絵の方は1948年、ドイツ生まれ。

なんでネコがいるの?
作 トーマス・ヴィンディング
絵 ヴォルフ・エァルブルッフ
訳 小森香折
発行 BL出版、2007年8月

《ミスターシリーズ》
楽しい児童文学『なんでネコがいるの?』
楽しい児童文学『ぼくはきみのミスター』

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カテゴリー: 読書