楽しい児童文学『ぼくはきみのミスター』

ほんま楽しい、笑って読める小説。ミスターって、飼い犬の名前。飼い主と二人(?)暮らしなんだけど、食事だって表紙の絵のように同じ食卓でとる。ベットにも入ってくる。そのうえ、この二人(?)、のべつまくなく会話を楽しんでいる。

余程長く飼ってたので、ペットと友だち付き合いのレベルになった、というわけじゃない。ある日、戸口に犬が立っていて、一緒に暮らしたい、って犬が言ったのが始まり。もちろん、飼い主だって、犬が突然訪ねてきて、ぼくと暮らしたら良かったと思うようになるよ、なんて犬から聞かされたって、はいそうですかという風にはならんよね。もちろん、犬を飼う気がなって断るのね。でも、犬の強引さに負けて、家に入れることになってしまう。

食卓への同席だって、ベッドだって、飼い主は禁止していたことばかりなのに、ミスターって名の犬はいつの間にか自分のペースで振る舞ってしまう。そうそう、だれともしゃべるというわけではない。お客さんには、しっぽを振り、これぞ可愛い小犬を演じるものだから、お客さんはコロリとダマされる。そもそもミスターって名前だって犬のほうから、なんならミスターって呼んでくれてもいいんだよ、ということだったし。こんな、人を食った犬は今まで知らない。

ぼくは きみの ミスター
作 トーマス・ヴィンディング
絵 ヴォルフ・エァルブルッフ
訳 小森香折
発行 BL出版、2003年8月

《ミスターシリーズ》
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楽しい児童文学『ぼくはきみのミスター』

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カテゴリー: 読書