大阪の梅雨空、40年前も・・・

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所用で猛烈に蒸し暑い雨の中を歩いていたら、突然40年前を思い出してしまった。21才のこの6月に北海道から大阪に出て来たんだ。高校を卒業して、2年ちょっと事務職をしてたけど、腕に技術を持てる仕事をしたくて、人を介して大阪まで出て来た。特急列車「白鳥」が大阪駅に着いたのは、確か午後8時何分かだったと思う。大阪が初めてなら、改札口で待っている雇い主に会うのも初めてだった。すぐに梅田駅から地下鉄に乗った。地下鉄も初めてだった。猛烈な蒸し暑さは、半端じゃなかったけど、大阪に着いたんだという実感を肌に感じて苦痛ではなかった。

たしか札幌駅で列車に乗ったのは夕方を過ぎた頃だったんじゃないだろうか。ぼくは事務職だったから、スーツを着る習慣が身についていて、このときも長時間の列車の旅だというのにスーツだった。今から思うと可笑しい。札幌ではスーツで暑くなかった。ネットで調べたら、旭川―函館間を走る特急列車「おおぞら」に乗ったにちがない。函館には深夜に着いて、青函連絡船に乗る。デッキで夜の海を見ていたのを覚えている。青森に早朝着いて、次の列車は大阪行き特急「白鳥」。

青森―大阪間1040キロを日中に走破する、昼行特急最長距離を誇った特急「白鳥」、とネットにあった。当時はそんなこと知らなかった。ひたすら走り続ける長い旅だった。食べてはうたた寝の繰り返しだった。ぼくにはこの長距離列車の時間がトラウマのようになって、北海道と大阪の距離感覚になっている。現在、飛行機で移動する人とかなりのギャップがあるみたい。