橋からの眺め(4)/太左衛門橋(たざえもんばし)

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道頓堀川に架かるとても小さな橋だが、大正時代の絵地図を見ると、大きな橋に描かれている。中之島の栴檀木橋から長堀川の三休橋(現存しない)、そして道頓堀川の太左衛門橋と一直線につながっている。この橋を渡ってさらに南下すると、道は直線ではないが、法善寺の横を通り、道具屋筋にいたる。古くは重要な橋であったことがうかがい知れる。

写真左は川下(西方向)、近年、遊歩道が完成した。前の橋は飛び込むことで有名な戎橋(えびすばし)。これは現在、架け替え工事中。写真右は川上側、遊歩道の建設中。前の橋は相合橋(あいあいばし)。先日は溝口健二監督の戦前の映画「残菊物語」を見たが、そのラストのハイライトシーンが、この道頓堀川での歌舞伎役者の船乗り込みだった。重立った役者、ひとり一人が船を仕立てて乗り込み、両岸の茶屋の席のひいき筋に挨拶をするという、とても豪華なシーンだった。いま、茶屋の連なる面影はちょっとない。船乗り込みは現在も行われていて、ニュースなどで見ることがある。