Designing with Web Standards―XHTML+CSSを中心とした「Web標準」によるデザインの実践

Designing with Web Standards―XHTML+CSSを中心とした「Web標準」によるデザインの実践 (Web designing books)CSS の解説を書籍や雑誌で読んでいると、ジェフリー・ゼルドマンという人が多くの Web 制作者に影響を与えていることを知りました。で、これはぜひとも読まなくては、という気分になって読みました。説得力のある本で、ずいぶんと影響を受けました。今まで、少なくない解説書を読んできたので、CSS を使った Web 標準によるサイト制作の必要性は十分に分かってます。後は、自分のスキルとやる気の問題だけなんですね。
本書は2部構成で、Part 1 では、ブラウザーの変遷とからめて、Web 標準によるサイト制作の必要性を力説しています。Part 2 で、CSS によるデザインの解説となっています。本書では、「XHTM 1.0 Transitional」に焦点を当てて、これによる制作を勧めているのが特徴です。XHTML 1.0 か 1.1 か、はたまた Transitional か Strict か、実務に当たって迷っているぼくには説得力がありました。

「多くのウェブスタンダード信奉者はXHTMLを好む」(p115)ものだが、「本書は実務者向けのものであって、理論家や純粋主義者向けのものではない」(p26)ということは繰り返し書かれている。「大事なのは、始めるということだ。どこからか手をつけないと、サイトは将来にわたって使えるものにならない。font 要素を削除するところからスタートしてもいい。」(p19)にはほんとに勇気づけられます。つまり、これからサイトを作ろうとしている制作者にではなくて、ぼくのように、何年も前に、当然 Web標準とは無縁に作ったサイトがあり、それらを今も管理していて、それをなんとかしなければならないと考えている制作者に向けられた解説書だということになります。

Part 2 は実例による XHTML ハイブレットレイアウト編です。実例を進行しながら、マークアップの実際や CSS の基礎を学習することになります。なお、実例として使われているサイトは、本書に載っている URL で、今も存在しているので、そこからイメージデータを入手して、解説の通りに作ってみようと思っています。

CSS のテクニックや裏技は本書よりも新しい書籍や雑誌の方が良い場合もあると思います。そのせいか、大量に流通している情報を前に右往左往している自分を見ることもあります。まず、CSS のテクニック習得の前に、CSS の概念といったレベルで自分のスタンスをしっかりと確保しておかなくてはならないと思います。その上でなら新しいテクニックも裏技も良く見えるはずです。これがこの数年間、右往左往していたぼくの反省です。まず、自分のスタンスを固める上で本書は役立つと思います。

Designing with Web Standards―XHTML+CSSを中心とした「Web標準」によるデザインの実践
著者 ジェフリー・ゼルドマン
発行 毎日コミュニケーションズ、2004年10月