スーザン・バーレイの死を扱った絵本/Badger’s Parting Gifts(わすれられないおくりもの)

死を扱った絵本でも、本書とジョン・バーニンガムの『おじいちゃん』ではずいぶんと違う作品になっている。『おじいちゃん』は生前の祖父と孫娘の交流を見せておいて、最後でいきなり少女に祖父の喪失に直面させて、次に一人で遊ぶシーンで終わらせている。少女が祖父にもらった様々な思いでは言わずもがなで、そこには一切触れないがゆえに劇的な効果が生じていた。

『わすれなられないおくりもの』は逆に、共同体の博識な長老であったアナグマがみんなに残した様々な思い出を延々と描写することで、アナグマはいなくなったが、みんなのこころに生きていることを具体的に知る手助けをしている。

死を扱った絵本はほんとうに少なく、ぼくはこの2冊しか知らない。しかし、その扱い方の違いの大きい事に興味が引かれる。絵本に教育的な役割があるとすれば、本書の『わすれならないおくりもの』がすぐれているだろう。しかし、近親者の死を乗り越える強くて優しい心を育てるには、アートとしての意味からも優れているバーニンガムの『おじいちゃん』と言うことになると思う。

Badger’s Parting Gifts
Susan Varley
Copyright (c)1984 by Suzan Varley

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カテゴリー: 絵本