アルバート・アイラー/Live on the Riviera

アイラーは1970年11月25日、ニューヨークのイースト・リバーで自殺か他殺か分からない死体となって発見されています。享年34歳。当時、雑誌でその死を知って衝撃を覚えたものでした。ぼくはアイラーにはことのほか思い入れを抱いていました。しかし、その頃のアルバムはインパルスからリリースされており、EPS盤に比べるとぼくはもう一つ好きになれないでいました。アイラーの死を知ってからどのくらい後か記憶がないのですが、フランスのニースでの1970年7月27日のライブ、「Last Recording, Vol.1」と「Last Recording, Vol.2」がリリースされました。インパルス盤にはない開放的な演奏に感動したことを覚えています。

さて、「Live on the Riviera」ですが、こちらは Last Recording の2日前の1970年7月25日のライブです。「Last Recording」が手元になく、長く聞いていないので比較はできませんが、Riviera の方がリラックスした演奏のように思えます。ただし、1曲目の「Music is the healing force of the universe」のサウンドにこめられた破壊と緊張と優しさこそ、EPS盤を超え、インパルス盤では聞けなかったものであり、ぼくの求めていたもののようです。Mary Maria の詩の朗読のようなヴォイスが入っています。いやでも昨日聞いた、「サニーズ・タイム・ナウ」のリロイ・ジョーンズが詩を朗読している曲が意識されます。

他の曲では Ayler と Mary Maria が二人で歌っていたり、いい感じだったりします。そこには叙情と解放がないまぜになった、哀しくなるような陽気なサウンドさえ聞こえます。たぶん、こちらが死の直前の演奏であることを過剰に意識しているせいもあるのでしょう。

なお、このディスクは昨年(2005年)秋に買いましたが、EPSの新譜です。

ALBERT AYLER live on the RIVIERA
Recorded july 25 1970 at the Maeght Foundation in ST. Paul De Vence
Albert Ayler tenor saxophone, soprano, musette, vocal
Allen Blairman drums
Steve Tintwess double bass
Mary Maria vocal, soprano saxophone

Manufactured in the USA by: eps-disk’
All works p & (c) 2005 eps-disk’, ltd

投稿日:
カテゴリー: Music