元旦なので雑煮

元旦に雑煮を作るなんて何十年ぶりだろう。いつもはパンだったり、パスタだったり特別なことをしない。義姉が元気だった頃は百貨店やコンビニから運ばせたお節の一部をカミさんがもらって帰ってきた。正月らしいことをしない我が家を不憫と思っての義姉のはからいだった。ぼくをそれを貰ってきた31日には酒の肴で食べてしまって、元旦はいつも通りの食事をしていた。12月24日にクリスマスらしいことをするとか、元旦に正月らしいことをするなど関心がないから、いつも通りだ。もう40年も前だと思うが、東京から大阪に遊びに来ていた知り合いが、行くところがないと暮れの31日にうちに転がり込んできた、イタカジで決めたおしゃれな男で、ワインかなんかで飲み食いしながら朝までしゃべった。腹が減ったというのでインスタントラーメンを作ってやり、わたしら夫婦と3人で食べた。そしたら元旦の朝ににこんな食事なんて、とてもいいと感動してた。ひょっとしたらお節が食べられない皮肉だったのかもしれないが、ぼくはその言葉をすなおに受け取り、いいやつだと思った。

今日は雑煮を作りながら、普段は全く生じない感情がおこって、ちょっとびっくりした。こどもの頃の元旦の朝の雑煮を食べるシーンだ。お袋が台所と居間を行ったり来たりしながら、マサアキはあといくつ食べるの? なんて大声で言ってる大家族の喧噪が脳裏に蘇った。お袋は専業主婦で料理も一生懸命にやっていたと思うが、ぼくがお袋の味と懐かしむ料理は全く少ない。雑煮が少ない中の一つだ。

なんとか思い出して作ったのが、今日の雑煮だ。鶏肉と三つ葉は欠かせないと気づいていたが、その他が思い出せない。ダイコンとニンジン、干し椎茸とかまぼこを加えた。昆布を基本にとった出汁がそこそこうまかったのでよしとする。日本酒のあては、雑煮用に買った小田原の板かまだが、これがうまかった。同じ皿の白とピンク色はカブ。自家製ぬか漬けだよ。これもうまかった。ぬか漬けは昨年の秋頃だったかな、知り合いにすすめられて始め、これまで欠かさないで続いている。日本酒はよう分からんけど、行きつけのスーパーに並んでいたもの。瓶の大きさ形は同じものが20種類ぐらい。150mlで1,500円〜2,000円。ぼくが飲んでるのは1,500円。高いからほんの少ししか飲まない。それがいい!(笑)