今日は北堀江のカフェでクライアントとミーティングを行った。新しく作るサイトのために、クライアントのサイトに対する意図を聞き出すのが主な目的だった。禅や茶の湯の文化を根底にもつ日本の現代アートという視点に新鮮な感動を覚えた。水墨画家から茶人、西洋の古典画家から現代作家・・・様々な名前が飛び交った。仕事の話が済んで、ビールを飲みたくて、場所を堀江のさらに奥のカフェに変えた。
今度は様々なミュージシャンの名前が飛び交い、しまいにボアダムスで盛上がった。カフェのスタッフがボアダムスの名前が聞こえたんで、と言ってフライヤーを持ってきた。そのカフェで実施される現代美術のオークションのフライヤーで、ボアダムスの山塚アイの名前が先頭に踊っている。はは、と笑ってしまった。
カフェから帰って、『アイデア―オルタナティヴデザイン・エックス〈2000〉』を引っ張り出して眺めた。いつ見ても楽しい。30名余りの現代美術のアーティストやグラフィックデザイナーの作品を収録したものだ。山塚アイの作品も載っている。その中のひとつにぼくの持っている「HANATARASH」のCDジャケットがある。
30人の中ではもう一人、気になるアーディスがいる。雑誌「Raygun」のアートディレクションを担当していた David Carson だ。この人の著書も持っている。『The End of Print』というとても刺激的なタイトルの作品集だ。奥付を見たら1995年に出版されている。ぼくは1987年に初めてのコンピュータMacPlusを買い、1995年というとMacによるDTPの仕事が軌道に乗った頃だ。同時にぼくはWebの勉強を始めたのがこの年のことだった。まるで「The End of Print」の言葉に背中を押されるようにWebのスタートを切った。Webはまさにオルタナティヴな世界だった。
アイデア―オルタナティヴデザイン・エックス〈2000〉
編者 アイデア編集部
発行 誠文堂新光社、2000年9月