ミロスラフ・サセックの絵本『ジス・イズ・ミュンヘン』

ミュンヘンはドイツのバイエルン州の州都。歴史的建造物も多く描かれているが、どちらかというと地味な感じの建物ばかり。しかし、300年以上の歴史を持つビヤホール、ホーフボロイハウスが描かれているが、そこでヒトラーがナチスの旗あげをおこなったという説明を読むと、じっと眺めてしまう。

バイエルンは王のルートヴィヒ2世で知られている。ルキノ・ヴィスコンティの映画『ルートヴィヒ』を見る前にこの絵本を読んでおくと、多少は予備知識になるかもしれない。映画の中でルートヴィヒが
夜な夜な、若い男性の側近らを集めて、デカダンスな遊興にふけるシーンがあった。サスペンダーの半ズボン姿の男たちがいて、見慣れない服装で奇異に感じたが、この絵本を見ると、街で普通に見かける姿だった。

ただし本書では、ルートヴィヒ2世には一切触れていない。だから、ルートヴィヒ2世が建造した有名な数々の城は一切登場しない。ちょっと残念。

ジス・イズ・ミュンヘン
原題 This is Munich
著者 ミロスラフ・サセック(Copyright 1961 by Miroslav Sasek)
翻訳 松浦弥太郎
発行 ブルース・インターアクションズ、2007年8月

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カテゴリー: 絵本