25日に「からほりまちアート」の空堀界隈を歩いていたら、突然、そこが地蔵坂であることに気づいた。地蔵坂には伽奈泥庵というネパール風のカフェがあり、何度も通ったものだ。20年前のことだ。当時はネパール旅行を経験した人がたくさんいた。ネパールに何ヵ月とか何年とか滞在する人たちだ。そんな知り合いの一人に連れられて、開店日か直後の伽奈泥庵に行っている。
狭い階段を降りて、店内に入ると全く未知の空間があった。確か、細目の木材による象徴的な木組みが目を引いたはず。床が土でまだ乾いていなかった。それから、さまざまな友人知人たちと何度も行った。少しづつ疎遠になって、もう十数年行っていない。床が土であることがわからないぐらいに踏み固められていた。でも、テーブルの配置とか、トイレとか何も変わっていなかった。時間だけが経っていた。
地蔵坂の前は、梅田と天満の間にお店があった。一度だけ行ったことがある。その時にマスターと初めてお会いした。二言三言何をしゃべったか覚えていない。地蔵坂でも、二言三言・・・何を話していたんだろう。十数年前に亡くなる前は、茶を飲ませる小さなお店を持っていると聞いた。行きたいと思っていたが、とうとう行かずじまいになった。