中上健次を読んでいる(1)

憑かれたように中上健次を読んでる。初期短編の『一番はじめの出来事』、『十九歳の地図』を読み、さらに評論集『破壊せよ、とアイラーは言った』を読んだ。ぼくは中上と同じ年齢だ。評論集を読むと、同じ歳に同じジャズのレコードを聞いていることが分かった。フリージャズだ。中上はとりわけアルバート・アイラーが好きだった。ぼくも同じだ。ジャズは家ではなくて、(爆音の)ジャズ喫茶で聞くものとも言っている。ぼくも同じだ。今でもぼくはMacにつないだ小さなBOSEのスピーカーしか持っていない。音楽は外で聞くものだから、立派な再生装置はいらない。

中上健次に対して強いコンプレックスを持っていて、今まで読めなかった。今回読んで気づいたが、もし中上が生きていたらぼくは読まないはず、と確信した。

『破壊せよ、とアイラーは言った』だけど、amazonで文庫版に高い値がついている。大阪市立図書館の書庫に単行本がある。