Traiangleには0時過ぎに行った。バーフロアにタイムテーブルが貼ってあった。23時~0時 Ono、0時~3時 Kate Simko、3時~7時 Cassy。フロアへ降りるとOnoのプレイ中で、Kateのライブは始まっていない。フロア入り口近くの椅子に座ってビールをちびちびと飲んでいた。オーディンスはまだわずかでフロアはがらんとしている。
少しずつ入ってくる客を見るともなしに座ってた。そのうち、長身でスレンダーな女性が入ってきて足早にぼくの前を通って行った。カッコいい、と見ていたらフロアをまっすぐに突き切ってDJブースに上がっていった。Kate Simkoだった。
Kateのライブがはじまった。ディープなサウンド。次第にノッてきてカラダ全体でリズムを取りながら笑顔でフロアを眺めていた。YouTubeの動画で見た通りで、なぜか安心。気づくと、DJブースのあるステージにCassyがいた。ときどき踊っている。
一昨年の7月にClapperで初めてCassyを聞いたときもそうだった。早めに出てきて、プレイ中のYuri Ogushiの横でしばらく踊っていたんだ。そんなことを思い出した。
3時を30分程オーバーしてCassyのDJがはじまった。その頃にはフロアは人であふれていた。Kateのプレイにも、けっこうノッてたけれど、すぐに違うと分かった。それは何なのだろう。スキルとかテクニックとか好みとかいろいろとあるだろうけれど、そういうこととは次元の違う何かを感じた。Cassyはダンサーをクレイジーにするシャーマン度が並外れて濃いのかもしれない。
1時間ほど踊って、このペースだと朝まで体が持たないと、フロアを見おろせる上階のバーフロアに座って休んだ。DJブースやダンサーを眺めながら気づいたんだが、ここではグルーブ感がまったく伝わってこない。ただ、音が聞こえているって感じ。もちろんサウンドエンジニアはフロアをメインに音を作っているんで、あたり前といえばあたり前なんだけどな、ちょっと不思議だった。
再びフロアに降り、良いサウンドに包まれ、ダンサーたちの中に溶け込み、Cassyが時に神秘的な笑みをたたえてフロアに視線を落とす、その美しい表情を眺めながら踊っていると、彼女のグルーブをしっかりと受け取ることができた。グルーブって、音が聞こえるところならどこでも感じられるものじゃないってことね。フロアからグルーブが生まれるってことかも。
こうして時間がアッという間に過ぎて、上りつめたところで終わった。アンコールに答えたものの、少しだけで終わった。まだ7時になっていなかったし、早いなと思った。でも、ダンサーたちをあがるだけあげておいて、終わりを予測させずに終わる、これがいいのかも。
Cassyのもとに、ファンたちが次々と握手をしたり話をしている。ぼくはフロアに放心状態で立っていた。そしたら、Cassyのプレイ中に横で踊っていたKateがステージを降りて帰っていく。その時、自然に握手をした。サンキューと言っている。ぼくもサンキューと言った。それから何か言ってるんだけど、分からない。こういう知的なアーティストと何かしゃべれたらどんなにいいだろう。英語がダメってことをすごく悔やんだよ。