3月22日に放送されたものだが、28日深夜の再放送を見た。
日本新聞協会会長/内山斉、日本民間放送連盟会長/広瀬道貞、ドワンゴ会長/川上量生、ITジャーナリスト/佐々木俊尚、学習院大学教授/遠藤薫、NHK副会長/今井義典の6名のゲストによる討論。
内山氏、広瀬氏、今井氏対、川上氏、佐々木氏、遠藤氏の2グループに分かれる構造になった。後者の側が、若者層のマスメディア離れが加速しているという主張に対して、前者のマスメディア側は、国民の全体が共有する情報を提供する必要性と責任を強調していたように思う。その信頼性が揺らいでいると後者が反論。
マスメディア側がネット展開の必要性を語ると、川上氏がネット住人は従来のマスメディアの視点からは外国人みたいなもの。マスメディアの感覚でネット展開しても理解されないだろうと反論。佐々木氏は最近スタートした日経新聞電子版の購読料の高額なことを例に、マスメディアの高コスト体質を指摘し、その体質を変えない限りネットで支持を得られないと批判。
討論は両者の違いを鮮明にするだけだったが、ぼくは非マスメディア側の意見に同調していた。というのも新聞の定期購読をヤメて3年以上経つが、マスメディア側の意見を聞くにつけ、やっぱり購読をヤメたことは間違いでなかったと再確認させられるだけだった。
物心ついたころから新聞のある家庭で成長し、家を出た後も新聞の定期購読を続けていた。だから、新聞の定期購読を断るというのは、簡単に決められることではなかった。おかしいと感じながらも、数年感はもんもんと迷っていたと思う。
この討論でもマスメディア側は全ての国民のための情報を何度も強調していたが、新聞にそれを感じられなくなったのが、購読をヤメる理由になった。国民全てという体裁をとりながら、ぼくはそこから排除されているような気持ちにさせられることが多くなっていった。
単純には格差社会だから、所得の違いが大きくなり、昔のような総中流社会というわけにはいかない。新聞だって、意図してかどうかは分からないが、読者層を所得による線引きが顕著になっていった。さらには、ネットに対する無理解と反感が強くなっている頃にぼくは新聞をヤメた。
ネットにはそもそも全ての国民のため、という発想がないと思う。だから、誰でも入れる。ここんところでマスメディアの人たちと相容れないのだと思う。
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NHKスペシャル|放送記念日特集 激震 マスメディア ~テレビ・新聞の未来~
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