新井良二 著(偕成社、1994年11月発行)
トントンパットン トンパットン
トントンパットン トンパットン
まだまだ バス きません
って、表紙を開くと書いてある。
昨夜、寝る前の深夜にこの絵本を眺めてたら、眠っても
トントンパットン トンパットン
って、聞こえてたんだ。
人物の絵から判断すると、メキシコか中南米のどこからしい。
赤茶けた荒野に一本の道が通ってて、1人の旅行者がいつやって来るとも分からないバスを停留所で待っている。
その男がラジオをつけると、トントンパットン トンパットンと音楽が流れてくる。やがて、夜になり、朝日も昇るがバスは来ない。じっと絵本を眺めていると、トントンパットン トンパットン。
荒野に拡散して消え行く音が最後のエネルギーを使って、絵本を震わせた。
絵本作家、新井良二を数日前のテレビのトークショーで初めて知った。質問を聞きながら、答えながら、せっせと絵を描いていた。色鉛筆を走らせて、猛烈な早さで何枚も絵を描いていた。好きな音楽はと聞かれて、口ごもっていた。とうとう答えなかったけど、なんだろな。口ごもったニュアンスから現代音楽かなと想像したけど、分からない。どっちにしても、少数派の音楽には間違いない。