エレン・レヴァイン 作、カディール・ネルソン 絵、千葉茂樹 訳(鈴木出版、2008年発行)
19世紀アメリカでは、奴隷制の南部から奴隷制のない北部へ逃亡した黒人奴隷がいた。彼らの逃亡を助ける組織が地下鉄道(Underground Railroad)と呼ばれたらしい。本書の主人公ヘンリー・ブラウンは地下鉄道の助けで自由を得たなかでも最も有名な人物だと訳者はしがきで紹介している。
当時のアメリカ南部の黒人奴隷制の一旦が迫力のある絵から伝わってくる。過去の奴隷制を今の人々に伝える教育的コンセプトで出版されているのだろうか。それにしても、絵はリアルですごい迫力だ。
絵としては、しかし『Martin’s Big Words: The Life of Dr. Martin Luther King, Jr. 』や『ローザ』を描いたブライアン・コリアーの方が好きだ。