寺田町源ヶ橋でジャズ&ロック喫茶マントヒヒの同窓会(28日)

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阿倍野区寺田町源ヶ橋の居酒屋「芳養屋」へ30年振りで行ってきた。天王寺にあったジャズ&ロック喫茶マントヒヒの同窓会があった。同窓会というものおかしな感じだが、他に言いようがない。当時10代から20代の店の関係者の、40年後の再会だった。正確にはマントヒヒが無くなくって、2度目の同窓会となる。多分、それから30年振りか。

同窓会のきっかけは、マントヒヒのマスターだった木村洋二がこの8月に他界したことだった。みんな年をくって穏やかな人間になったというのが印象だった。とはいえ、とても熱い時代だった70年代初頭のマントヒヒだったので、その空気感を思い起こさせるせいか、非常に疲れた。

予期しなかった嬉しい出来事もあった。1972年の阿部薫のマントヒヒでのライブ録音のCDが入手できたこと。「WHAT BEYOND」と題されたCDは、ライナーノートによると、この10月にリリースされたばかりだ。「追悼 木村洋二」とも書かれている。木村自身もリリースに関わっているらしく、どうやら完成を待たずに亡くなったらしい。

70年代初頭、阿部はマントヒヒで確か3回ぐらいのソロライブをやっている。その全部を聞いている。聞くと当時の記憶がよみがえり、テンションがあがって、疲れているが眠れない夜になった。同窓会と阿部薫のCDがダブルで襲ってくる日なんて、あまりに強烈すぎる。

80年代初頭に非売品としてLPレコードが100枚プレスされ、その後、そのLPからの海賊版CDが出されたとライナーノートにある。当時、非売品LPの噂は耳にしていたが、ぼくは阿部薫のレコードそのものに興味を持っていなかったので聞いていない。阿部のライブは、その場だけで完結するものだと思っていた。年とともに消えていく記憶だが、阿部の音はそれでいいと思っていた。

その後、1971年の東北大学でのライブ演奏のCDを聞いた。それは、ぼくは72年頃に聞いていた演奏と同じだと思った。しかし、この72年のライブ版は、東北大学のものと少し違う気がする。マントヒヒライブの方が、ずっと「その場限り」感が強いと思った。もう少し、しっかりと聞いて感想をまとめたい。

この音源はマントヒヒのマスターをしていた木村が録音したもので、当時、阿部と木村は仲がよかったことをぼくは横で見ている。「WHAT BEYOND」は、40年後、木村によって意図的に届けられたCDとしか思えない。ということで、このサウンドはしんどい。

写真は深夜の環状線寺田町駅ホーム。近場ばかりで用が足りているので、環状線は何年も乗っていない。当時のマッチを前に葬儀の写真を芳養屋カウンターで撮ったもの。CD「WHAT BEYOND」キングーベスト発売