フレディ・ハバード / Open Sesame

Open Sesameブルーノートのアルフレッド・ライオンは「最初はエリック・ドルフィーに教えられた」と発言している(小川隆夫著『ブルーノート・ジャズ』)。フレディ・ハバードのことだ。ドルフィーというところにとても興味をもった。そのフレディ・ハバードの初のリーダー・アルバムが『Open Sesame』。ハバード22歳。アルバムにはセンチメンタルなフレーズが詰まっている。これはテナーのティナ・ブルックスによるものかも。〈Open Sesame〉と〈Gypsy Blue〉はブルックスのナンバー。ハバードのナンバーは〈Hub’s Nub〉の一曲だけ。

このレコーディングの6日後にティナ・ブルックスがリーダーの『True Blue』が録音されている。その『True Blue』の方がよほどブルックス独特のブルージーで憂いのあるサウンドとなっているが、この2枚を聞き比べるのはおもしろい。両方ともブルックスとハバードの2管フロントだ。この2枚を聞く限り、二人はとてもよく合っていると思う。

しかし、二人がコンビのアルバムはこの2枚だけかも。フレディ・ハバードはこの後、続々とリーダー・アルバムをリリース。しかし、ティナ・ブルックスはジャズ・シーンから消えていく。ブルックスとハバードのコンビの創り出すサウンドにそそられるものの、ジャズシーンの変革に乗れないサウンドだったとも思う。

Freddie Hubbard, trumpet
Tina Brooks, tenor sax
McCoy Tyner, piano
Sam Jones, bass
Clifford Jarvis, drums
1960年9月19日録音
Blue Note 4040

《このブロブのフレディ・ハバード関連記事》
□ティナ・ブルックス / True Blue 1960.6.25録音 Blue Note 4041
□フレディ・ハバード / Goin’ Up 1960.11.6録音 Blue Note 4056

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カテゴリー: Jazz