とても単純なストーリーなのに、ケイト・バンクスとゲオルグ・ハレンスレーベンのコンビによる絵本には深く引き込まれてしまう。本書は生まれたばかりの子ギツネがとうさんキツネとかあさんキツネに見守られて成長するまでのお話。
キツネの巣から川を見下ろす風景からはじまり、夜の草原、昼の草原の風景がすばらしが、敵をさけて押し入った深い森の情景がとてもいい。この森の風景は見返しに使われている。見返しにはキツネの一家は描かれていないで森だけ。作者にも思い入れのある森の絵なのかもしれない。
先日、久しぶりにクラブへ行ってきた。朝になって帰ってきてすぐに寝たが、目がさめても、連日の暑さも重なって疲れが取れない。体だけでなく、クラブの大音量を浴びてたかぶった神経もなかなか静まらない。そんなときに眺めたこの絵本の癒し効果は大きかった。優れた絵本の持つ力をつくづく再認識した。