ハレンスレーベンの絵を眺めていると、ほんわかと、とてもいい気持ちになる。この絵本は森の中にある大きな青い家のお話。その家は夏の間だけ使われるらしく、秋から冬、そして春は人気もなく、ひっそりとしているはずなんだけど、ネコとネズミとか、小鳥までが入りこんで住まいにしている。夏が巡ってくると、再び青い家に人がやってきて子どもたちの遊ぶ声で一杯になる。
この絵本は青い家が主人公なので、これまで見てきたハレンスレーベンの幼い子どもの孤独に比べると、ちょっと物足りなかった。文章も少し重くて、読んでいると絵に溶け込めなかった。
ケイト・バンクス作、ゲオルグ・ハレンスレーベン絵、今江祥智訳
BL出版、2008年6月発行