昨日に続いて、原田宗典さんの絵本を読んだ。こちらはご本人の絵ではなくて、奥山民枝さんの絵だ。この醜い花の絵がすごい。薄気味悪く、濡れてのたうつ様子がとても精緻に描かれている。
小さな星の大陸の一つの湖のほとりの一輪の醜い花の物語だ。周りの植物や昆虫、動物までみんなに嫌われている醜い花。しかし、この花こそ大陸の地中の毒素を一身に浄化していたというストーリーだ。そう、宮崎駿さんのコミック『風の谷のナウシカ』を思い出す。ナウシカはムチャクチャに好きなコミックだったけど、この『醜い花』は余り好きになれない。
ぼくが好きな絵本は例えばスズキコージさんみたいな感覚的な絵本。どーも寓話がなじめないみたい。といっても、本書だってナウシカだって環境問題の寓話ということでは一緒かもしれない。何が違うんだろう。分からない。本書を手にしたのは『百人の王様 わがまま王』同様、グラフィックデザイナーの原研哉さんの装幀だから。
膨大に出版している原田さんの2冊を読んだぐらいで何かが分かるわけでもなだろうが、読む前よりは原研哉さんの世界がちょっとだけ分かったような気がする。
醜い花
文 原田宗典
絵 奥山民枝
構成・デザイン 原研哉
発行 岩波書店、2003年11月