グラフィックデザイナーの原研哉さんが、原田宗典の本の装幀は、特別な仕事、と書いているので、原田さんの本を読んでみたくなった。本書は文章も絵も原田さんで、装幀が原研哉さん。温もりのある装幀が気持ちいい。
「百人の王様」と「わがまま王」の2編が収録されている。どちらも寓話だが、前者の方がその度合いが強くて、あまりなじめない。後者の「わがまま王」はけっこう残酷なストーリーで楽しめた。それにしても、著者ご自身が描いている両編の絵がとてもいい。
百人の王様 わがまま王
著者 原田宗典
発行 岩波書店、1998年3月