カッスル夫妻 / フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース主演の9作目

1939年アメリカ映画、H・C・ポッター監督。

RKOにおけるアステアとロジャースの主演作品はこの9作目で終わる。この10年後にMGMで『ブロードウェイのバークレー夫妻』を撮ることになるが、カッスル夫妻にせよ、バークレー夫妻にせよ、もうこれまでの二人のRKO映画とは言えない。

社交ダンスをステージで踊るダンスとして完成させた実在のカッスル夫妻の物語。二人の出会いから始まるが、1911年のことで、夫妻のダンスを再現してもアステア、ロジャースのダンス映画ファンとしても全く面白くない。ジンジャー・ロジャースはこれまでに比べてとても美しい。演技派に目覚めようとする意気込みがこの映画の演技から伝わってくる。一方のアステアはあくまでダンスをメインにしている。それがストーリーとも相まって、肩に力の入りすぎた印象を受けて物悲しい。

時は第一次大戦前で、イギリス人であるアステアが演じるヴァーノンはイギリス空軍へ志願する。後半はかなり国威発揚の映画となる。アステアが戦闘機に搭乗して、ドイツ軍戦闘機と空中戦をするなど見たくなかった。でも、軍服をパリっと着こなすアステアはやはりすごい。これまでの華やいだ作品とはかけ離れているが、RKO最後の映画ということで意味深い映画だった。

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