さすらいの二人 / ミケランジェロ・アントニオーニ監督

1974年、アメリカ映画。アントニオーニ監督の作品をこの夏から『情事』から数本を見て来た。その延長でこの『さすらいの二人』を見た。何度か見ている作品だが、今回は格別に心にしみた。なぜだか分からないが歳を重ねる度に作品に対する理解度が増しているのかもしれない。

イギリスの有名なジャーナリストであるロック(ジャック・ニコルソン)は北アフリカの砂漠の町のホテルにいる。このホテルで隣り合わせたロバートソンと話しをかわすが、彼はさすらっているだけだという。ロバートソンが反政府ゲリラの取材に失敗して、車も砂漠で見動きができなくなり、徒歩でやっとホテルにたどりついて、ロバートソンの部屋に行くと、彼は心臓発作でベットの上で死んでいる。

ロックはさすらっているだけのロバートソンに成り代われるチャンスだと、とっさに判断する。なぜ・・・これがアントニオーニの映画としか言い用がない。彼はパスポートも偽造して、体つきの似ているロバートソンになってホテルを出発する。しかし、ロバートソンは北アフリカの反政府ゲリラに武器を売る商人だった。

夫の死に不信をもつ妻や反政府ゲリラ、そして北アフリカの独裁政府からも追われる身となったロックだが、スペインのバルセロナで、建築を学ぶ女子大生(マリア・シュナイダー)と出会い、二人の逃避行がはじまる。ロックがひっかけたわけでなく、女子大生がついてきただけ。この名前のない若い女性のマリア・シュナイダーがムチャクチャにいい。中年男と若い女性のロードムービーだ。

この映画には、バックに流れる音楽もほとんどない。ドキュメンタリー風に情景の音だけを拾っている。そのテンションの高いシーンに圧倒された。バルセロナでは、アントニ・ガウディ設計のアパートで二人は出会う。その屋上でのシーンも素晴らしかった。さすらう二人は、バルセロナを南下しつづけ、モロッコのタンジールに渡るべく、ジブラルタル海峡の近くの町までやってくる。だが、タンジールに渡ることはできない。ロックは殺される。

この映画には、バックに流れる音楽もほとんどない。ドキュメンタリー風に情景の音だけを拾っている。そのテンションの高いシーンに圧倒された。バルセロナでは、アントニ・ガウディ設計のアパートで二人は出会う。その屋上でのシーンも素晴らしかった。さすらう二人は、バルセロナを南下しつづけ、モロッコのタンジールに渡るべく、ジブラルタル海峡の近くの町までやってくる。だが、タンジールに渡ることはできない。ロックは殺される。いや、自殺かもしれない・・・、ロバートソンみたいに心臓発作かもしれないが、ほんとうのことは分からなかった。見る者が好きに解釈すればいいってことかな。

投稿日:
カテゴリー: Movie