太陽はひとりぼっち / ミケランジェロ・アントニオーニ監督

1962年イタリア映画。「情事」、「夜」と見続けてきたが、三部作の最後「太陽はひとりぼっち」だ。これは他の2作に比べるなら、多く見ている。「情事」、「夜」に比べたら、ちょっと軽いという印象があるので、なんとなくレーザーディスクで見る機会が多かった。今回見ての印象は、3部作の中では一番いいと思った。「情事」は本作の習作のように思えてしまった。

モニカ・ヴィッティも本作が抜群にいい。「夜」でジャンヌ・モローと共演して多くを学んだに違いないと、思わせるほどだ。

この映画、ストーリーはどうでもいいのではないだろうか。ひたすら、モニカ・ヴィッティを追ってカメラが回っているという感じ。余計なことを考えずに、ぼーっとしながら彼女だけを見ていればいい。彼女を見ていたら、自然とその周りの人物とか風景も一緒に目に入ってくる。それでいいんだと思う。

そういったことから、1929年のブニュエルとダリの映画「アンダルシアの犬」を見るときと同じだと思う。長編版「アンダルシアの犬」という感じで、ぼくはこれからも、機会があるごとにこの「アンダルシアの犬」と「太陽はひとりぼっち」を見続けたい。

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カテゴリー: Movie