ゴナUは1975年にリリースされます。ナールの作者の中村征宏氏のデザインです。その余りの太さにびっくりしたものです。1979年にゴナEが出ますが、ここまではファミリーという考えはなかったと思うのです。むしろ、ゴナEさえ余計だったのではないかという気がします。始めはゴナUだけの単独のフォントしてスタートしたのです。文字からこの太さでなければならない、という潔さが感じとれます。例えば、勘亭流が作者の選択した、その太さでなければならないようにです。1983年にゴナBなど5書体がリリースされて、計7書体によるファリミーになります。この時点で、ゴナUはゴナUではなくて、ゴナファリミーの中で一番太い書体ということになってしまいます。
上はぼくが写植屋を開業した1977年の書体見本の一部です。ファミリーはまだなくて、ゴナUしかなかった時の空気を感じます。新書体としてはナールファミリーが全盛の頃です。「スター・ウォールズ」は「スター・ウォーズ」の間違いです。当時は雑誌「ポパイ」で盛んにこの映画をあおっていました。公開まで1年近くかかったかな、ほんとに待ちくたびれました。勿論、アメリカでは公開中で、ハワイで見て来たとかいう話を聞いていた頃の見本帖です。