バーニンガムによる犬が主人公のちょっと寂しくなる絵本/Courtney

ジョン・バーニンガムの絵本って、いったい何冊出ているんだろう。知っているだけでも、すごい数だ。その絵本にはどれも、愛くるしい子どもや動物たちでいっぱいだ。それらがとても多くの人々に愛されている。ぼくもその一人だ。ぼくは、バーニンガムの絵本の中に愛くるしい絵とはうらはらに、寂しさの存在を垣間見ては、その落差に刺激を覚えている。バーニンガムの絵には後ろ姿が多い。実際の後ろ姿じゃない。バーニンガムが遠ざかる動物たちを見送る寂しさのまなざし、という意味の後ろ姿。

そういう意味で本書はバーニンガムの寂しさ度がけっこう高い絵本だ。子どもたちが野犬収容所から一匹の引き取り手の見つからない老犬を連れてくる。その犬が Courtney だ。両親は、どうして、もっと若くて可愛い犬にしなかったのかと、子どもたちを責める。しかし、Courtney、先日読んだおならばかりしている犬と大違いで、料理はするは、給仕はするはで父さんも母さんも大助かりだが・・・。

COURTNEY by John Burningham
(c) John Burningham 1994

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カテゴリー: 絵本