「Blueberries for Sal」から4年後の1952年の絵本。幼かったSalも成長し、今朝も妹のJaneのお世話をしている。そして、自分の歯が抜けていることに気づいて大騒ぎ。母親の説明から、乳歯と永久歯をのことを知り。わたしは a big girl なの、と外で出会う、ワシや水鳥、オットセイ、カモメなんかに声をかけるが、相手にしてくれない。さすがに父親はアサリ採りに忙しい手をやすめて、ふんふん、と口の中を覗き込んでくれた。
メイン州の自然の中で暮らす一家のある日の長女の成長の一日を題材にした、なんともいえない暖かい絵本。絵はスミ一色だが、人物と自然の描写がとてもすばらしい。「Blueberries for Sal」の絵もよかったが、本書には絵にダイナミックが動きを感じる。大判の見開きいっぱいに広がる絵だが、自然や住まい、雑貨店など、人物から目をはなして、まわりに目を凝らすといつまでも見飽きない、樹木や小物が散りばめられている。50年代アメリカの陽のあたる文化にやすらぎを感じる。
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