ウェブデザイニング4月号の永原康史氏のエッセー「デザインの超高度資本主義」

ウェブ関係の雑誌は買っても、少ししか読めないうちに積み重なるだけなので、出来れば買いたくない。しかし、ウェブテクノロジーの進化を知るために避けられない。で、ウェブデザイニング誌は特集を見て、買っているが今月号は使用権フリーのデータが入ったCD-ROMにつられて、前号につづいて買ってしまった。データは、世界地図データ、世界の国旗データ、市区町村別日本白地図、全国鉄道路線図、日本の家紋300選。しかも最新のデータだ。使う予定はないが、手元にあると心強いので購入となった。

ウェブテクノロジー関係の連載はとりあえず、置いといて、永原康史氏のエッセー「デザインにできること57 デザインの超高度資本主義」を読んだ。前号と2ヶ月つづいて読んだせいか、この連載エッセーがとても重要なことをテーマにしていることを今回は感じた。ウェブテクノロジーの知識はもちろん必要だが、ぼくにとって、このようなエッセーこそ必要なんじゃないかと感じたわけ。

前号は「町がデザインされてしまう」のタイトルで、竣工なった表参道ヒルズについて触れて、はからずも町がデザインされてしまうことの切なさ・・・そう、このとらえどろこのない不確かなモノを分かりやすくエッセーにまとめていた。出不精のぼくにはテレビ画面でしか見たことのない六本木ヒルズ森タワーがこのエッセー以来、いままでになくリアルな存在になった。

さて、今号のものものしいタイトルだが、資本主義とは、から始まっているのにはちょっと戸惑ったが、資本の向かう方向にデザインは規定されているという話。20世紀初頭のフォード社の例で、資本の行き先と車のデザインの関係を説明したうえで、現代の超高度資本主義下におけるデザイン状況を語っている。氏の言うところを完全に理解出来ているわけではないが、ぼく自身、何か捉えどころのない変化を感じてる。それが、単にテクノロジーの進化で片付けられないな、と今号のエッセーを読んで感じた次第だ。

うん、このエッセー、とても出不精なぼくに開かれた窓みたいだな。書店で立ち読みするには本文のポイントが小さい・・・。来号も買うことになるか。

《関連記事》
[新デザインガイド]日本語のデザイン / 永原康史著の日本語文字の歴史
ピクセルへの案内書 永原康史 著 / デザイン・ウィズ・コンピュータ[改訂版]
永原康史/タイポグラフィーとプログラミング(ウェブデザイング2006年7月号) 
ウェブデザイニング4月号の永原康史氏のエッセー「デザインの超高度資本主義」
HyperCardスタックの思い出 永原康史/The Art of Stereographics
Webは一人でトータルに扱える唯一の領域=永原康史/WebDesigning12月号

投稿日:
カテゴリー: Web