ブリジット・フォンテーヌ/ラジオのように

昨日、アート・アンサンブル・オブ・シカゴを20数年ぶりに聞いたと書きましたが、実は30数年間聞き続けているアルバムを忘れていました。ブリジット・フォンテーヌの「comme a` la radio(ラジオのように)」です。シャンソンのブリジットとアレスキー、そしてアート・アンサンブル・オブ・シカゴによるやるせないサウンドがいっぱいにつまったアルバムです。

1970年作のこれを聞いていると、嫌でも時代の空気とか匂いといったものが忍び寄ってくる。ヌーボロマンと言われたフランスの現代小説、ヌーヴェルバークと呼ばれたトリフォーやゴダールのモノクロ映画・・・そして、出会いと別れとか、いろんなほろ苦い記憶がよみがえるアルバムです。

AACMの演奏は昨日の「Reese and the smooth ones」とは全く違います。しいていうなら、1969年の「people in sorrow」に近いかもしれない。でも、もう20数年聞いていません。内容の記憶は曖昧です。しかし「people in sorrow」こそ、当時のぼくの最高のお気に入りのアルバムでした。peopleは輸入レコードショップにしかないようなアルバムでしたが、ラジオの方は「Olive」とか「an an」などファッション誌にも取り上げられて、シャンソンファンやジャズファンの垣根を超えて広く支持されたものです。

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カテゴリー: Music