ジェイムズ・クレイグ/欧文組版入門

s1131003986本書の刊行は1989年12月だ。ぼくの持っている写真の本書はたぶん、出て間もない頃に買ったのだろう、だいぶんに痛んでいる。訳者のあとがきによると、本書はアメリカのデザイン教育用のテキストとして1978年に刊行され、すでに10版を数えているという。翻訳は始まったばかりのDTP時代に向けて刊行されたものだ。巻末の日本国内向けの章では、組版システムとして、マックが、ソフトとして、クォークエクスプレスが紹介されている。

s1131003988ぼく自身の経験からも、欧文を組むにはセンスが要求されると常々感じている。日本語でも同じことが言えるが、こちらは新聞や雑誌などで、美しく組まれた日本語を日常的に見ている。欧文となるとそういうわけにはいかない。組んでいて、こちらのセンスにどこまでの正当性があるのか分からなくなって、不安になることがある。そういう場合に、この一冊があるととても気持ちが楽になる。

本書の解説をすみからすみまで読んだわけではない。写真右にあるように美しくレイアウトされた本文を眺めているだけで、なんとなく分かったような気がしてくるものだ。アマゾンを見たら、現在も入手可能なようだ。

欧文組版入門
ジェイムズ・クレイグ著 組版工学研究会 監訳
1989年 朗文堂発行

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カテゴリー: Design